the Making of 『アンビバレントな青い春』公演 ~「プロデュース公演ドラフト会議」リモート開催を振り返って~
大手を振って出かけられないあいにくの大型連休。
今年はどうやって過ごそうなぁ…と思っていた4月24日。
【第1回ヲタク48ドラフト会議】
— ヲタク48ドラフト会議 (@wotakudorafuto) 2020年4月23日
2020年4月24日(金)20:00~
48のヲタクがメンバーをドラフト会議にて選択し、オリジナルのチームを作成
参加人数総勢16名
ヲタク達が本気で遊ぶ!!
YouTubeLIVEとTwitter実況有り#NGT48#第1回ヲタク48ドラフト会議 pic.twitter.com/gbx3ZyrKMK
真似してみたい素晴らしい企画を完璧なタイミングでTwitterで目にしてしまった運命。
自由指名の1巡目の後に各グループで縛り枠を設けるレギュレーションに一目惚れしてしまいました。
翌日、早速こういう企画に乗ってくれそうな面子に声を掛けてみると、
「乃木坂、欅坂、日向坂の枠も加えましょう!」
「セットリストの曲もドラフトで決めちゃわない?」
と、あれよあれよと本家を土台に前向きで建設的な議論が喧々諤々と行われ…
『オタク48・46プロデュース公演ドラフト会議』supported by Zoom
参加者の皆様はこのたび、オリジナルのプロデュース公演を任されることになりました。
自分好みのメンバー・楽曲を選び、チームとセットリストを組んでください。
【Day 1】メンバードラフト(2020年4月29日)国内48 7枠[各グループ+Team 8] & 坂道 3枠[各グループ] を含む計16人チーム
(指名終了後、前座で曲を披露するメンバーを「前座ガールズの部」で4人まで指名可)
【Day 2】セットリストドラフト(2020年5月2日)本編16曲+前座1曲 の計17曲
全体曲11曲+ユニット6曲の内訳とし、48・坂道いずれも2曲以上を必ず含むこと。
(指名は「全体曲1巡」→「ユニット1巡」→「全体曲2巡」…と交互に進行)
(前座曲はユニット曲の扱いとする)
※いずれも重複指名の場合は、全巡で獲得権抽選を行う。
という壮大かつボリューム満点の企画がものすごいスピード感で立ち上がったのでした。
これまで、16人のアイドルを指名する類のドラフトは何度も経験してきたものの、今回のような「自らが選んだ16人でチームを組み、自前のセットリストを構成して劇場で定期公演を行う」というかなり具体的なシチュエーションの想定まで踏み込んだものは初めてで。
「MCで軸になって回せる子は…」とか「この子とこの子でこの曲のユニットを組んでるの観たい!」とか「好きな曲並べすぎて全体的な公演コンセプトが崩れないように…」とか、熱が入る入る…。
どれだけ本気で考えたところで、実現するはずもないのに(一番言っちゃいけないやつ)。
そして、6人参加のドラフト会議での血みどろの奪い合いを経て、完成したチーム・公演がこちら。
一体、プロデューサー(私)はどのようなことを考えながらドラフトに臨んだのか。
ただのお遊びなのに「どうすれば、より多くのオタクを振り向かせる公演になり得るのか?」を真剣に考えすぎてしまったからこそ、記憶が鮮明なうちに書き残しておきたいので…
・Team U2(うーちゅー)ってどんなチーム?
・メンバーにはどんな子がいるの?
・『アンビバレントな青い春』公演の見どころは?
・使われているのはどんな曲?
調べてみました!(※信じられないぐらい長いです)
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【目次】
Prologue ドラフト会議開催に先立って
今回のレギュレーションが定まった段階で「全グループから必ず1人はチームに加えなければならない」という点が大きなポイントだなと感じました。
メンバー・セットリスト共に全ての枠が完全な自由指名ならば、言葉を選ばず言うと「詳しくないグループから"逃げる"」ことが出来るものの、各グループでの縛り枠や最低曲数ラインが設けられていることで、ある程度は網羅しておかなければごまかしが効かない形に。
しかも、今回は「劇場公演」というシチュエーション。そもそも「劇場公演」というスキームが存在しない坂道3グループ(乃木坂46・欅坂46・日向坂46)要素をその枠組みの中へと落とし込むためには、かなり創造性に富んだ発想力が試されるのではないか、と。
ただ、翻っていえば、この枠組みに坂道グループの要素を上手く組み込むことさえできれば、劇場公演が持つ魅力の可能性をさらに引き上げられるかもしれない…ということも同時に言えます。
そこで、本企画で自らに課したいテーマとして、
・連綿と紡がれてきた48劇場公演の文脈を最大限に尊重・踏襲したい
・坂道グループのメンバーや曲を目玉に置き、劇場公演の新たな可能性を探りたい
・世間的にあまり「見つかっていない」と思しき曲にスポットを当てたい
の3点を頭に置きながら、選考を進めていくことにしました。
しかし、これには問題がひとつあって。
いわば「劇場公演至上主義」に近い育ち方をしてしまっている私は、これまで坂道グループについて詳しく深掘りするような経験がほとんど皆無に等しかったのです。
要するに、開催まで残り4日でそもそもメンバーも曲もほとんど知らないという状況。
これはもう「勉強」するしかない(たかだかオタクの遊びなのに)。
ということで、とりわけ疎い欅坂46と日向坂46を中心に、メンバーの顔と名前、パフォーマンスの特徴、番組での立ち振る舞いから見えるパーソナリティなどをひたすら頭に叩き込む作業に没頭。
さらに、Googleのスプレッドシートを活用し、指名を考えているメンバーをグループ別に羅列、指名を優先する順に並べた「スカウティングリスト」まがいのものを作成。
このためだけに、これまでなぜか忌避していた音楽配信アプリのサブスク登録を躊躇なく進め、今までノーマークだった楽曲を片っ端から検索してはひたすらに聴き漁る。
大の大人が本気で遊ぶって怖いですね。
事前準備で出来うる限りの手を尽くし、いざドラフト会議本番へ。
Episode.1 Team U2:メンバードラフト
【第1巡】自由指名枠
東村 芽依(日向坂46) 公式プロフィール
今回、弊チームの目玉指名。チームの命運を託したいエース。
運動神経の塊で、中学時代にはカラーガードで全国大会に出場。その経験が下敷きになっているのか、兎にも角にもダンスがめちゃくちゃ上手いです。
やや小柄な部類なのですが、集団の中で踊っていても埋没せず、一つずつの動作が細かくパキっと決まるパフォーマンスの素晴らしさには一瞬で目を引かれてしまいます。いま、48・坂道の中で一番上手いメンバーといっても過言じゃないのではと思ってしまうほど。
最終的には、日向坂46のどの動画を観てもこの子を見つけてしまう状態に。完全にパフォーマンスの一目惚れ。この企画のおかげで、日向坂46の推しメンを見つけてしまいました。
今までならば、こういう企画での1巡目指名は、劇場公演の歴代最多出演を誇る村山彩希ちゃん(AKB48 Team 4)を推すのが重複指名覚悟でも手堅い戦略だったのですが。
しかし、今回は村山彩希ちゃんを諦めてでも、どうしても確保すべきメンバーだと思ったので、勇気を持って1巡目に。ドラフト会議にも新しい風を吹かせなければなりません。
【第2巡】AKB48枠
私が48を追い始めるきっかけになった人。生けるレジェンド。
1巡目が「新しい風」ならば、2巡目で「48の文脈」をしっかりと踏襲。
最近になりYouTubeチャンネルやnoteを始めるなど、長きにわたり培ってきた「アイドル道」の手の内をじわじわと明かしてくれるようになってきました。振り付けを可愛く見せるためにちょっとした動きのスパイスを独自に加える「柏木アレンジ」が話題になるなど、多岐にわたっての気配り満載のパフォーマンスは、まさに生きた教科書。
いつか、劇場公演で踊る本物の姿を直接観たいメンバーの一人です。
【第3巡】Team 8枠
大西 桃香(AKB48 Team 8/Team 4)公式プロフィール
動画配信アプリ「SHOWROOM」の毎早朝配信で一躍知名度を上げた「5時半のシンデレラ」。
他の参加者視点では、私がTeam 8枠で彼女を指名したのはわりと意外性のある人選に映った模様。ですが、劇場公演において「客席を飽きさせないMCを展開できる存在がどれほど心強いか」を考えた際、絶対に外すことのできないメンバーでした。
ボケもツッコミも回しもなんでもできちゃうし、何より自分が"見つかる"ための工夫や努力を一切惜しまないタイプのアイドルは無条件で応援したくなってしまいます。
ましてや、1巡目指名の東村芽依ちゃんと同じ奈良県出身メンバー。地方出身者にとって同郷という共通点があれば、一気に親近感も湧くというものです(少なくとも私はそうなので)。
【第4巡】SKE48枠
SKE48キャプテン兼支配人。もうダンスがひたすらにかっこいい。
チームを組織する視点に立った時、彼女のような「全国大会常連の運動部か?」っていうぐらい、「体力どうなってんの?」っていうぐらい、いつまでもバキバキに踊れる歴の長いメンバーは、周囲を鼓舞し続ける屋台骨としてどうしてもほしかった。
昨年11月、博多座特別公演の『レヴュー48』で、そのパフォーマンスを初めて現場で目にする機会に恵まれましたが、噂に違わぬ迫力。「『ダンスのSKE』の復権」を至上命題に掲げている人だからこそ、パフォーマンスは段違いの説得力を持っていて圧巻でした。
柏木由紀ちゃんと共に、背中を見せながらチームを引っ張ってもらいたい存在です。
【第5巡】NMB48枠
川上 千尋(NMB48 Team N cap)公式プロフィール
おそらく48と坂道の中では珍しいフィギュアスケート出身のアイドル。
過去、NMB48劇場には何度か入ったことがあるのですが、彼女の手先・足先まで神経が行き届いている丁寧かつ繊細なダンスがめちゃくちゃ印象に残っていて(さっきからほとんどダンスの話ばかりですが、それだけ私の中で「ダンスが自分好みか否か」は譲れない評価軸ということです)。
最近、NMB48内のダンス好きのメンバーでだんさぶる!というユニットを組んでいて、ついYouTubeチャンネルにあげられている動画をめちゃくちゃ観てしまいます。踊る以外の動画もあげていて、メンバーの人となりが垣間見えるので、お時間があれば是非。
【第6巡】HKT48枠
美の暴力。アイドルにまるで興味がないTwitterのフォロワーがふと「時々TLに流してるあの子可愛いよね」みたいに水を向けてくる場合は、だいたいが彼女の話です。
それでいて、踊れば新体操の経験に裏打ちされた優美な華麗さがあり、切れ味鋭いターンは客席に風を巻き起こしてしまうのでは?と錯覚するほど。
さらには、ふわっとした雰囲気からいきなり突拍子もない話をし始めるような掴みどころのないトークの面白さもあり、思わず「欠点ないですよね?」と訊きたくなってしまうぐらい、その存在のすべて何もかもが魅力で溢れているスーパーアイドルです。
【第7巡】NGT48枠
小熊 倫実(NGT48 1期生)公式プロフィール ※競合獲得
世界平和の使者。おそらく「朗らか」という日本語は彼女のために作られたに違いない。
SHOWROOM配信に紛れ込んできた悪質な荒らしコメントに対しても、ニコニコしながら「いけんのぉ!いけんのぉ!」と追い返してしまう。なんという平和的解決。新潟の永世中立国・スイス的存在。そのおっとりとした性格は、見る者すべてを虜にすること間違いなし。
ただただ幸せな人生を歩んでほしい。毎日お昼ごはん代を出してあげたい。人間国宝。国民の娘。
【第8巡】STU48枠
今村 美月(STU48 cap 1期生)公式プロフィール ※競合獲得
チャーミングに広島弁を操るダンシングアーティスト。
2018年の年末番組でのダンスオーディション企画でセンターポジションを射止めるなど、その実力は折り紙付き。手足を柔らかに使って緩急も自在、どれだけ激しい動きをしても体幹が一切ブレず、難しいダンスをいとも簡単に踊っているかのように見せてしまう卓越した技術を感じずにはいられません。
そして、指名理由には響いていないのですが、「Nice to~?(みちゅー!)」という自己紹介のコール&レスポンスがすごく好き。キャッチフレーズ参加が楽しいアイドルに悪い人はいません。
【第9巡】乃木坂46枠
齋藤 飛鳥(乃木坂46 1期生)公式プロフィール ※競合獲得
『インフルエンサー』に代表される妖艶でミステリアスなダンス。
あの「インフルエン"サー"」で顔の輪郭をなぞる振り付け(伝われ)の彼女の身体の沈ませ方とか、手先の使い方とかが個人的にどツボで、これまでに「48の『影のある曲』をやったらどんな感じになるんだろう?」と叶わぬ夢を考えてしまったことは数え切れません。
お気付きの通りの「ダンス至上主義」目線で乃木坂46を見渡してみると、もちろん魅力的なパフォーマンスをするメンバーはたくさんいるのですが、やはり彼女の纏う雰囲気は独特で、競合指名を覚悟してでも挑戦したくなるオンリーワンでした。獲得できてよかった。
【第10巡】欅坂46枠
小学校時代にモダンバレエを始め、中学時代には部活動をせずにクラシックバレエに没頭したという根っからのバレエダンサー(またダンスの話かい)。170cm超えの長身で、すらっとした手足の長さを最大限に生かして踊っている姿がめちゃくちゃにかっこいいです。
なのに、喋ると信じられないぐらいおっとり系。
モデル活動をしていて、エレキギターが弾けて、アニメのコスプレが好きで…。パフォーマンス時の迫力と普段とのギャップがありすぎて、それが広く知れ渡ることで、劇場で人気に火が付きそうな気がします。MCでもバシバシ本領を発揮してもらいたい。
ここでなんと4枠連続で競合抽選に勝利。勝ちすぎて申し訳ない。
【第11巡】日向坂46枠
齊藤 京子(日向坂46 1期生)公式プロフィール
お顔がめちゃくちゃ好き(火の玉ストレート)。
おそらく加入前からかなりダンスに傾倒していて、複雑な動きでもビートが正確でブレず、一見しただけで相当な鍛錬を積んできた上級者なのだろうと感じさせるパフォーマーです。彼女を観ていると「ダンスに運動神経は関係ない」という定説は本当なのだなぁと。
そして、群を抜いて歌が上手い。あらゆる分野において高スキルの持ち主なので、芸能の世界に入るべくして入ってきた人なのだろうなぁと思わずにはいられません。
もともと、この企画前から彼女のことはよく知っていた(お顔がめちゃくちゃ好き[2回目]なので)からこそ、あまり詳らかでない日向坂46に2枠を使う腹を括れたのは大きかったです。
【第12~16巡】自由指名枠
【第12巡】坂口 理子(HKT48 Team H)公式プロフィール
「歌える」「踊れる」「喋れる」の3ツールがハイクラスで揃った最強のオールラウンダー。
実際に彼女が出演する劇場公演に入ったことがある方には伝わると思うのですが、客席の温度を瞬時に察知して話題を転換したり、他のメンバーの持ち味を最大限に引き出したりと、劇場全体を見渡す視野の広さが常人のそれを遥かに超えています。「目配り・気配りの神様」とでも言うべきかもしれません。
『会いに行こう』前の後半MCの締めの穴井千尋ちゃんエピソードが前半MCとモロに被ってしまう事案が発生したんだけど、その微妙な空気をいち早く察して今日のMCで1番ハネた田中美久ちゃんの「ちぴさんに捧げる歌」(2回目)で空気を温めて締めた坂口理子ちゃんの機転が今日も光っていました。
— うちゅ (@hinaeve) 2016年2月17日
私の主戦現場がTeam Hだった頃から「いつか坂口理子ちゃんキャプテンのチームを見たいなあ…」と思っていたので、無事に獲得できた瞬間に弊チームのキャプテンに即決。
まさかこんな形で「坂口キャップ」を見る夢が叶う日が来るなんて…(見れませんよ)。
【第13巡】松岡 はな(HKT48 Team TII)公式プロフィール
博多の宝。「これほど人当たりのいい純粋な人がいるんですか?」ってぐらいいつも愛嬌に溢れていて、荒んだ現代社会でも強く可憐に咲き誇る一輪の花であり、人々を癒やしてくれるオアシス。
という、よく笑い、よく泣いてしまう天真爛漫な一面がフィーチャーされることが多い彼女(もちろん、その人間性があまりにも魅力的なのは疑いようがない)ですが、実は曲調に合わせて身に纏う雰囲気に陰陽のコントラストをくっきりと付ける表現力の持ち主で、バキバキにエネルギッシュなダンスを踊れるメンバーであることにも、もっとスポットが当たってほしいなぁ…と思うことが個人的にとても多くて。
そう。プロデューサー(ただのオタクです)は、この公演(実現しませんよ)で「かっこいいはなちゃん」の一面もめちゃくちゃ魅力的であることを、どんどん世間に知ってもらいたいのです。
【第14巡】横山 結衣(AKB48 Team 8/Team K)公式プロフィール
青森県の方の「よこやまゆい」ちゃん。
48グループの中で「ダンスが上手いメンバーといえば?」という質問をぶつければ、かなり早い段階でめちゃくちゃ名前を挙げられるであろう、無尽蔵のスタミナでバキバキに踊り続けてしまうパフォーマーです。
いわゆる「憑依型」にカテゴライズされ語られることの多い観があるパフォーマンスですが、個人的にはダンスもさることながら、独自の世界観を持った歌唱力にも注目せざるを得なくて。昨年の「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」での『丸の内サディスティック』の衝撃といったら。
残り数人しか組み込めないことを考えた時(魅力的なメンバーが数多溢れている中で16人に絞るのは本当に難しい)、歌でも踊りでも際立った個性を発揮できる彼女の表現力が欲しくなった形です。
【第15巡】矢吹 奈子(HKT48 Team H/IZ*ONE専任活動中)公式プロフィール
ここまで指名を進めて「劇場公演経験のない東村芽依ちゃんを単独エースに据えるのは、さすがに鬼プロデューサーがすぎるのでは…?」ということに気が付き(遅い)、幸運にもまだ指名されていなかった世界水準のウルトラエースをお呼びすることができました。
小学生時代からセンターを務める類まれなアイドル性。どこまでも伸びやかに高音が響き渡る抜群の歌唱力。PRODUCE 48候補生合宿を経てパキッと進化したダンス(IZ*ONE専任活動前、ほとんどレッスン時間も取れなかったであろう中で唯一出演した『RESET』公演初日の完成度の高さが忘れられない)。
テレビ番組で何も喋れなくて「ピンマイク三ついる」とまで突っ込まれていたあの子が、いまや国境を越えて支持されるまでになった物語の続きは、ぜひこの公演で…という図々しすぎる願望を添えて。
【第16巡】東 由樹(NMB48 Team BII)公式プロフィール
今まで散々、プロデューサー面してあーだこーだとつらつら綴ってきましたが、ここに来て「ここ半年ほどでめちゃくちゃファンになっちゃったので」というまさかの私情極まりない指名。
というよりも、まだ選ばれてないメンバーにもそれぞれ語り尽くせないほどの魅力があるのに、最後の1人なんて私情でも挟まないと選べねえよ!って感じです。
きっかけは昨年11月の博多座特別公演で、めちゃくちゃ推しメンと仲良くなってて、「昔から名前は知っているけど、どんな子なんだろう?」と見てみたら、一挙手一投足が可愛くて、12月の推しメンの生誕祭でまっすぐで素敵な手紙を書いてくれて(ここが決定打)、気が付けばSNSの更新をつい追ってしまっていて、「ゆきつんカメラ」の写真もっといっぱい見たいなぁって(泥沼)。
彼女も、5巡目・川上千尋ちゃんと同じくだんさぶる!のメンバー。
石田優美ちゃんと同じ2期生でメンバーの中では一番先輩なのですが、いい意味でそれを感じさせないフランクさがあって、でも踊ればやっぱりかっこよくて…といくらでも魅力を挙げられてしまう。
趣味のカメラも、器械体操の経験者なのも、山下エミリーちゃんのことが好きなのも、全て私もまったく一緒で、話を聞いてみたい共通点がわんさか。早く握手会に行きたいです(ファン目線)。
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以上、Team U2 16人です。
Episode.1.5 メンバードラフトを終えてセットリストドラフトまで
結局、私はアイドルにかっこよくバキバキに踊り続けてもらいたいんですね。
指名を振り返れば、誰が見てもその嗜好に気付かざるを得ない感じ。
最終的に16人枠に入らなかったものの、他に本指名を考えたメンバーを例に挙げても…
・小嶋花梨(NMB48 Team BII cap)・下野由貴(HKT48 Team KIV)
・今村麻莉愛(HKT48 Team TII)・日下部愛菜(NGT48 1期生)
・中村舞(STU48 ドラフト2期生)・佐藤詩織(欅坂46 1期生) etc...
ダンスを中心に据えているのがバレてしまうアイドルが多いこと。
清々しいほど微動だにしない価値観。
重複抽選の4/4は完全に出来すぎです。
嬉しい誤算の一方で、唯一無二の推しメンである山下エミリーちゃん(HKT48 Team TII cap)を他チームに単独指名(第6巡・HKT48枠)で攫われてしまう悲劇。
彼女も陰陽のオーラを自在に纏え、可愛いもかっこいいも何でもできてしまう稀有な表現者(だと贔屓目抜きに思っています)だけに、絶対に外せなかったところですが、栗原紗英ちゃんとの稀代の名コンビ「さえみりー」の揃い踏み獲得の目論みはあえなく撃沈。
やはり欲張りは良くないということ。反省します。
メンバー構成にこれほどまで顕著な色を出したのは、ただただバキバキに踊ってもらいたい私の趣味・嗜好も多分に影響しているものの、ある1曲を表題曲として既に想定した上で、その曲の存在感を際立たせるために世界観に合致しそうな人々を選んでいったからに他なりません。
そのため、楽曲選考については基本的に表題曲(仮)を軸とした全体コンセプトのすり合わせ。加えて、最終的に獲得できたメンバーのパフォーマンスの特徴やパーソナリティ、活動史などを踏まえられるようなユニット曲を熟考する作業に入ります。
今では一度経験したからこそ実感を込めて言える話なのですが、このセットリスト構想を考える作業が想像を絶するほど難しい。決して舐めていた訳ではないのに、びっくりするほど定まらない。
単純に好きな曲を17曲選ぶ訳にもいかないし、いざ形になっても「これはどちらかと言えば『劇場公演で繰り返し観たい!』というよりも『ホール規模のコンサートで一度観たい!』ものでは…?」みたいな疑念がひとたび湧いてしまったら、こんなセトリは提出できない!となってしまう。
セットリストの構想はまさに、もがけばもがくほどどんどん深みにハマってしまう蟻地獄。もう二度と「はよ新公演書け」なんて軽口は叩けなくなってしまいます。
ましてや、今回のセットリスト制作はドラフト会議なので、当然ながら「想定していた楽曲を他チームに取られる」リスクまでも存在していて。
指名巡が大きな鍵を握ることは言うまでもなく、万が一、取りこぼす楽曲が出てきてしまったら、一度定めた公演の世界観を簡単に解体できない状況から大幅な修正を強いられかねない。なんという鬼畜の所業。
ここまで根気強く読んでくださる気の長い方に言うことでもないのですが、こうした厳しさがあることを念頭に置いた上で、軽い気持ちでセットリスト紹介に目を通してただければと思います。
Episode.2 『アンビバレントな青い春』公演:セットリストドラフト
【前座ガールズ】
●失恋お掃除人 / 若様軍団(ユニット曲5巡目)
(乃木坂46 19thシングル『いつかできるから今日できる』Type B c/w)
◎今村麻莉愛 石綿星南 甲斐心愛 掛橋沙耶香(◎印はセンター)
16人に入れ込めなかったメンバーの中でも、どうしても今村麻莉愛ちゃんを本公演に組み込むことを諦め切れなかった(彼女もスタミナ切れ知らずのエネルギッシュなダンスで劇場を沸かせてくれる素敵なメンバーなのです)結果、開演前の空気を「まーさん軍団」に温めてもらうことにしました。
坂道楽曲を公演のスキームへと組み込む中で、劇場特有の「前座ガールズ」のシステムでいきなり客席を沸かせるユニット曲をぶち込むのも面白いかな、という目論見です。
曲中には食器名のコールや"団長"による煽りなど会場を盛り上げる多彩な仕掛けも含まれており、入場していよいよ開演!という高揚感を覚えてもらうには最適な曲。
石綿星南ちゃん(AKB48 Team 4研究生)、甲斐心愛ちゃん(STU48 1期生)、掛橋沙耶香ちゃん(乃木坂46 4期生)は、ただただオタク目線で個人的注目の3人。ここでいろんな人に見つかってほしい。
【本編前半パート(Overture~4曲目)】
0:Overture(DTO48ver.)
DTO48(Dai Tokai Okayama 48)です。
このOvertureの間、客席頭上を青い布が覆います(どこかで聞いたことある演出ですね)。
一般的に不評を買っていた印象の拭えないこの演出ですが、髪の毛が擦れるぐらいの頭上スレスレを布が通過するから不快感を覚えてしまうだけで、もう少し余裕のある高ささえ出せば、大海原の雰囲気を出すには決して悪くない方法だと私は思っていて。
「布が引くと舞台上にはメンバーが!」という試みは本公演でもぜひ踏襲したい。
1:出航 / STU48(全体曲5巡目)
(STU48 2ndシングル『風を待つ』All Type c/w)
(◎東村芽依 ほか全員参加)
公演の始まりを告げる爽やかなアンセム。
「新しい大陸を絶対に見つけ出したいんだ」
「コンパスの針なんかに縛られることなく 自分が信じる方向 自由に舵を切るんだ」
という、まるで劇場公演の新たな可能性を模索する本公演のために書き下ろされたかのような素晴らしい決意表明の文言まで随所に散りばめられています。
パフォーマンスでは、手振りを中心としたフォーメーションダンスが肝になっており、繊細な動きを得意とするメンバーを結集した特徴がここで大きく生きてくるはずです。
2:チャイムはLOVE SONG / SKE48 Team S(全体曲6巡目)
(SKE48 Team S 2nd『手をつなぎながら』公演収録曲)
www.youtube.com
(※オリジナルの公式動画がないためHKT48 Team TIIver.を引用)
違う校舎の好きな人を遠くから眺める片想いを歌うアイドルの王道ど真ん中チューン。
予定していた楽曲(君は僕の風/AKB48 センター試験選抜)の指名を他チームに先行され、急遽その代わりとして追加。個人的に劇場で最も多く観ている公演の代表曲なので、新規性を模索するために使用を避けていたのですが、不測の事態だし好きな曲なのでもう仕方ない。
「Wセンターを誰と誰で観たいか?」のパターンをいろいろと考えた結果、柏木由紀ちゃんと小熊倫実ちゃんのチーム最年長・最年少コンビに。こういった曲で「柏木アレンジ」の真骨頂が観たい。
3:青くさいロック / AKB48(全体曲3巡目)
(AKB48 8thアルバム『サムネイル』Type B収録)
(◎矢吹奈子 ほか全員参加)
ここで急にやさぐれる。
恋愛や社会に対して投げやりな気持ちになってしまう自分に気が付くも、一方で最後まで諦めずに出来るだけ足掻きたい、自己を表現したいという相反する思いと葛藤する自分もいる―。公演全体を通して観ていくと、そんな「アンビバレント」な感情に支配された青春物語が見えてくるはず。
このロックチューンは、ウルトラエース・矢吹奈子ちゃんの歌唱力に引っ張ってもらいます。
4:ゼロサム太陽 / AKB48 Team K(全体曲8巡目)
(AKB48 24thシングル『上からマリコ』Type K c/w)
"君"に本当に好きな人を選択して幸せになる道筋を提示する一方で「誰かの愛が輝けば 消えてもいい 僕は…」という完全に拗らせた病み歌。
本公演で、こういう「影が差す48のかっこいい系楽曲」の中心を担ってもらいたいのが、齋藤飛鳥ちゃんと齊藤京子ちゃんの坂道「さいとう」コンビです。
オリジナルでは大島優子・板野友美両氏が務めるWセンターですが、彼女たち二人が新しい『ゼロサム太陽』像を作り上げてくれるはず。
MC1:自己紹介(全員参加)
ここで終演後ロビーで販売する集合写真の撮影と、お題に沿ったメンバーの自己紹介があります。
キャリアが長くなったアイドルたちを悩ませる「自己紹介のキャッチフレーズをいつまで続けるか」問題ですが、個人的な思いは可能な限りやめずに続けてもらいたい派。
【ユニットパート(5~9曲目)】
5:キスの花びら / Chou(ユニット曲3巡目)
(HKT48 13thシングル『3-2』Type A c/w)
MC前『ゼロサム太陽』の歌詞の世界観をそのまま受け継いだような物語の展開。客席もそろそろ「この公演のプロデューサーって病んでるのかな?」と心配になってくる頃です。
楽曲の本家はHKT48のユニット「Chou」。本来、私の推しメンを含む(宣伝)長身美女7人組なのですが、人数の都合上、本公演では4人ユニットに再編成します。
本家の長身ユニットの文脈は最大限に尊重する形で、小熊倫実ちゃん(165cm)と土生瑞穗ちゃん(171cm)をWセンターに抜擢。残るはやや小柄ではあるものの、手先足先まで丁寧に綺麗な振り付けで魅せる東村芽依ちゃんと川上千尋ちゃんで両脇を固めます。
6:奇跡は間に合わない / AKB48 Team K(ユニット曲1巡目)
(AKB48 Team K 6th『RESET』公演収録)
(◎柏木由紀[宮澤ポジ] 今村美月[米沢ポジ] 東由樹[野中ポジ])
過去の48劇場公演ユニット曲の中でも稀代の名曲。ある日バス停で出逢った"君"を待ち、恋が成就する「奇跡」を願い続ける主人公の健気な片想い(本公演で使用される楽曲には基本的に幸せの溢れる「両想い」は出てきません。なぜならプロデューサーが病んでいるからです)。
本家で宮澤佐江ちゃんが爽やかに歌い踊るセンターポジションは、満を持して柏木由紀ちゃんに。古くからのオタクならばお馴染み、いにしえの名コンビ「さえゆき」が時を超えて復活。
両サイドは今村美月ちゃんと東由樹ちゃん。3人とも間違いなくハットを被るあの衣装が似合う。
7:Faint / AKB48 Team A(ユニット曲2巡目)
(AKB48 Team A 4th『ただいま 恋愛中』公演収録)
(◎齋藤飛鳥[板野ポジ] 齊藤京子[川崎ポジ] 斉藤真木子[戸島ポジ])
ここでプロデューサーの遊び心が炸裂してしまう「さいとうさんだぞ」ユニット。どうやら公演に通い詰めているオタクの間では「Saint(サイント)」という呼び名が付いているらしいです。
もちろん、邪な心があったのはチームメンバーが確定して「さいとう3人でユニット組みたいな…」と思ったところまで。この3人が持つ雰囲気と公演のカラー双方に合致するユニット曲を必死に探した結果がこの楽曲。全員がオーラを纏って踊る天才なので、一度と言わず何度でも観たいユニットになる確信があります。
このセットリストを見た乃木坂46が主戦場のオタクに「飛鳥ちゃんの『Faint』はめちゃくちゃ観たい」と言わしめたので、遊び心発進なのに、全曲の中でも非常に満足度の高い1曲になりました。
8:初恋ヒルズ / 指原莉乃(ユニット曲4巡目)
(指原莉乃 1stシングル『それでも好きだよ』All Type c/w)
(◎矢吹奈子 ◎松岡はな with まーさん軍団[今村麻莉愛 石綿星南 甲斐心愛 掛橋沙耶香])
指原チルドレン「はななこ」に師匠のソロ曲を歌い継いでもらう構図が作りたかった。
「駆け上がって好きな人の名前を叫べば恋が成就する」との言い伝えが残る坂道のことを歌った青春コンプレックスをくすぐる一曲。ですが、ここでも結実するところまで物語が進み切ることはなく、結局最後まで片想い。やっぱり病んでんなプロデューサー。
余談ですが、本公演で掲げた「坂道要素を軸に48文化である劇場公演の新たな可能性を探る」というテーマについて、「48と坂道の融和」のメタファーとして『初恋ヒルズ』を置いています。"48文化"が"坂道"を駆け上がった先に"両想い"はあるのか―。
故に、この曲を前座含む全17曲のど真ん中9曲目に配置したのも意図的なものです。いろいろ深読みしたがるオタクが好きそうな「裏設定」みたいなのを表で解説してみました。
9:地下水道 / DiVA(ユニット曲6巡目)
(DiVA 2ndシングル『Cry』Type B c/w)
(◎横山結衣[増田ポジ] ◎栗原紗英[宮澤ポジ] 大西桃香[梅田ポジ] 坂口理子[秋元ポジ])
「見つかっていない」と思しき曲の発掘シリーズ。
「もっともっと自分らしく生きたいよ」「ずっとずっと生き続ける鼠でいい」。私がDiVAを追っかけていた当時からずっと一番好きな曲かつ今回の拗らせた青春を表現するセットリストにベストマッチの世界観。「シングルでもいいのに!」というかっこよさ。この企画が決まった瞬間から何が何でもユニット曲にぶち込みたいと思っていた一曲です。
この曲のポイントは、増田有華ちゃん(私の当時の推しメン)による「これでもか!」というぐらい情念を込めまくった歌唱。情念的な歌唱といえば、わがチームにはあの『丸の内サディスティック』横山結衣ちゃんがいます。
このMCパートだけで2時間使えそうなほど贅沢な面子。Team U2のKinKi Kids。
盛り上がり過ぎて後半戦4曲いく時間がなくなることだけは気をつけたいものです。
【本編後半パート(10~13曲目)】
10:誰のことを 一番愛してる? / 坂道AKB(全体曲2巡目)
(AKB48 47thシングル『シュートサイン』Type E c/w)
(◎松岡はな ほか全員参加)
48と坂道の裏設定の結節点が『初恋ヒルズ』ならば、この曲が表設定の結節点。
「愛が静かに狂わせる」「そう 私は二番目だって わかっているから知りたいの」「独り占めするためには 誰を殺せばいいのだろう」。いよいよ病みまくりプロデューサーも本番です。
当初、手振りが目立つこの曲のセンターポジションには今村美月ちゃんを置こうと考えていたのですが、昨年のHKT48九州7県ツアーでの松岡はなちゃんによる鬼気迫る表情でのイントロソロダンスを思い出し、急遽センターを変更。「かっこいいはなちゃん」で魅せてほしい。
11:アンビバレント / 欅坂46(全体曲1巡目)
(欅坂46 7thシングル)
(◎横山結衣 ほか全員参加)
公演表題曲。この曲を劇場公演でやるために選んだ16人がTeam U2と言ってもいい。
「孤独なまま生きていきたい」「だけど一人じゃ生きられない」という二律背反の間で揺れる感情をストレートに歌った名曲。欅坂46は8月真っ只中リリースのサマーチューンにこんな楽曲を持ってくるのかという驚き。というか、なんでこの曲でお茶漬けのCM?という衝撃。
迫力満点のフォーメーションダンスは、バキバキに踊れるメンバーを徹底して集めたからこそできるパフォーマンス。センターは「憑依型」の横山結衣ちゃん。
山下エミリーちゃんを獲得できていれば、この曲でセンターを任せるつもりでした(拭い去れない未練)
12:Reborn / AKB48 チームサプライズ(全体曲11巡目)
(AKB48 38thシングル『希望的リフレイン』All Type c/w)
(◎坂口理子 ほか全員参加)
「一人じゃ生きられない」自分に気付いたならば、生まれ変わってもらいましょう。
「ネガティブとポジティブは紙一重」「これから広がる世界だけ塗り替えよう」。病んでいるプロデューサーの一存で暗い曲をバキバキに踊らされていた時間から一転、キャプテン・坂口理子ちゃんを中心に据えて明るく生まれ変わったTeam U2をご堪能あれ。
MC3:フリートーク
「大西・坂口のお笑い向上委員会」の始まり。2人のメインMCを軸に、客席を沸かせるMC術とはなんぞや?について、オタクとともに徹底的に向き合う時間です。
私がいま追いかけているHKT48 Team TIIも、この前後半MCで「ジェスチャーゲームをやりたいと思いまーす!」みたいな試行錯誤の時期を経て、それぞれが個性を発揮した今の楽しいMCへと繋がっています。
13:誰より手を振ろう / HKT48(全体曲7巡目)
(HKT48 13thシングル『意志』All Type c/w)
(センターなし 全員参加)
2019年の48G本当に一番いい曲。
前記事の秋元康カルタでも挙げているのですが、この曲の「枝から葉っぱが離れ ひらひら舞い散るように 掌は誰かへの愛を語る」という歌詞がめちゃくちゃ好きで。「近すぎて恋心に気付けなかった幼馴染との別れ」をこういう風に抒情的に表現できる才能が心底うらやましい。
ということで、この曲はメンバーが客席にたくさん手を振ります。ご来場いただいた皆さん!推しメンからの「レス回収」はここが一番のチャンスですよ!
せっかく前の曲で生まれ変わったはずのに、また片想いを見送る病んだプロデュースが顔を覗かせているのは内緒です。というよりも、わざとです。これぞ拗らせた青春。人間がそうそう簡単に生まれ変われてたまるか。
【Encoreパート(14~16曲目)】
Ec1:夢見るチームU2(夢見るチームKIV) / HKT48 Team KIV(全体曲4巡目)
(HKT48 6thシングル『しぇからしか!』(「HKT48 feat. 氣志團」名義) Type B c/w)
絶対にセットリストに組み込みたかった「自己紹介ソング」。
今やこの類ではド定番になっている『チームB推し』ではないものを入れたい。ユニットパートで『16人姉妹の歌』を入れるべきか、変則的なコールが楽しい『Bガーデン』か…といろいろ悩んだものの、「絶対に盛り上がるのに意外と知られていない曲なのでは…?」と思い立ち、この曲にスポットを当てることにしました。
ポイントはサビのヲタ芸テイストの振り付け。他のプロデューサーからは「あれをあの齋藤飛鳥ちゃんにもやらせるつもりなの?」と囃し立てられましたが、新たな魅力に気付いてもらうためです。
Ec2:初恋至上主義 / NMB48(全体曲9巡目)
(NMB48 22ndシングル)
(◎矢吹奈子 ほか全員参加)
NMB48・太田夢莉ちゃんの卒業シングル。2019年の48G本当に一番いい曲(ついさっきどこかで聞いたばかりのフレーズですね)。
オタクにとって思い入れが強すぎる卒業ソングを別メンバーでリメイクすることはかなり諸刃の剣ではあるのですが、21世紀のアイドル歌唱の女王・矢吹奈子ちゃんに歌い出しを担当してもらうことで、何度でも聴きに行きたくなる珠玉の名曲になることを私は信じています。
この位置に配置したのは、もしもチームメンバーが卒業公演の日を迎えてしまった時、ここが卒業メンバーに日替わりセンターを任せるには申し分ないタイミングだと踏んだためです。
「じゃあ またねなんて 叶わない約束して…」と歌われて卒業する推しメンの背中を見送る日が来たら…と考えてしまうと、病んでるプロデューサーでなくても病みそうなのでやめておきましょう。
MC4:公演の感想+最後の曲振り
期待のエース・東村芽依ちゃんに任せます。
Ec3:望遠鏡のない天文台 / SKE48 Passion For You選抜(全体曲10巡目)
(SKE48 19thシングル『チキンLINE』All Type c/w)
(◎東村芽依 ほか全員参加)
めちゃくちゃ知られてほしい本当に一番いい曲(本当に一番いい曲ありすぎ問題)。
病んだプロデューサーにいろいろ振り回されてしまったけれど、それに応えようと奮闘するメンバーの迫力満点のパフォーマンスはやっぱりすごかったし、この曲を公演の一番最後に聴けたら「今日は来れて良かったなぁ…」とじんわり込み上げてくるはず。それぐらいの魅力を持った楽曲です。
と言いつつ、ちゃんと歌詞を聴けば「君のことを思い出す 甘くて少し苦い あの夏の恋」などと歌われており、やっぱり本公演のプロデューサーは最後の最後まで病んでいるのでした。
Epilogue あとがきにかえて
いかがだったでしょうか?
あまりアイドルに明るくない人たちにも伝わるテイストで…と書き始めたはずが、いざ蓋を開けてみれば、人に一切読ませる気がなさそうなド長編になってしまいました。
どれだけわかりやすさを求めたところで、結局、読んでくれる人は読んでくれるし、読んでくれない人は読んでくれないのです(開き直りに近い達観)。
プロローグの項で列挙した三つのテーマを意識してみたものの、果たしてこれが「劇場」サイズの箱で定期的に観たい公演として魅力的に映るかは、正直なところわかりません。
ただ、
大型連休のおうち企画で、メンバーから楽曲まで何から何までを奪い合って自らのプロデュース公演を作るドラフト会議を開催したのですが、各々がチーム公演に何を求めているかが浮き彫りになる中、ひとり「身長のバランス」力説おじさんがいて、チームを構成する上で考慮すべき新機軸を知ってしまった pic.twitter.com/M47AcC2IQk
— うちゅ (@hinaeve) 2020年5月4日
のツイートに「てち(元欅坂46・平手友梨奈ちゃん)推し」とbioに書いた方からのいいね!を数件いただけたこともあり、坂道グループを主現場とする人々にも、少しでも劇場公演の魅力が届いていたらいいなぁと思うばかりです。
そして何より、いまは再び「劇場公演のある日常」が一日でも早く当たり前のものとして戻ってくることを願ってやみません。