明日は明日の風が吹くと思う ~「秋元康カルタ」を編纂してみた~
この目の付け所をリスペクトしていて「ぜひ一度やってみたい」と思っていた。
月並みだが、なんだかんだ言っても、秋元康とはすごい人だなと思っている。
彼が爪弾く歌詞に触れると、時に拗らせた思春期男子のような気持ち悪さを感じることもあるが、 その鋭い心情描写や繊細な言語感覚にはつい唸らされてしまう。そんな経験は数知れない。
タイトルに引用したのは、AKB48『恋するフォーチュンクッキー』で2サビを結ぶ歌詞だ。
"あなた"に振り向いてもらえず、ネガティブ思考に陥りがちな主人公が縋ったのは、運勢の書いた紙片(おみくじ)が入っているフォーチュンクッキー。
その占いには「未来はそんなに悪くないよ」「あっと驚く奇跡が起きる」「世界は愛で溢れているよ」といったポジティブに溢れた言葉が並ぶ。
これに励まされた主人公は「あなたとどこかで愛し合える予感」「明日は明日の風が吹くと思う」などといったように、明るい未来に向けてぼんやりと祈りにも似た願望を乗せるのである。
惜しくも選外ではあるのだが、サビを強い思いで結ぶのではなく、あえてふわっとした着地で終わらせることで、奥ゆかしさを表現する余韻の美しさを感じずにはいらr(選外の歌詞をそこまで語るな)
●編者属性●
瀬戸内地方在住。
2010年、柏木由紀を入口にAKB48に興味を持ち、以降、細々と在宅で追い続けていたものの、2013年頃のある日、興味本位で掘ってみたHKT48の底無し沼へと転落し、現場にも通うように。
地元に誕生したSTU48にも親しみは持っているものの、現在もメインは揺るぎなくHKT48。
推しはHKT48 Team TIIの山下エミリーちゃん(アピール)
●ルール●
・選考対象は48グループ(ソロ派生ユニット含む)楽曲に限定(46に詳らかでないため)
・複数文字に同一楽曲を使用しない
・濁点、半濁点への変換は認める
(歌詞リンクには 歌ネット を利用しています)
(気が向けば後日、選考理由を追記します)
〈目次〉
あ行
「あ」
青いインクを零したみたいに
街の縁に夜明けがやって来る
人は儚い夢から目覚めて
リアルな今日を生きる準備する
(なんて素敵な世界に生まれたのだろう/AKB48 Team A)
「い」
いい天気だから 余計に切なくなるんだ
「う」
後ろでいい こっちを振り向かなくていい(その全ては夢の中)
気づかれず 永遠に(永遠に) 僕は見守りたい
(青春時計/NGT48)
「え」
枝が葉っぱから離れ ひらひら舞い散るように
掌は誰かへの愛を語る
「お」
思い出して あのボートハウス
スコールが止むのを待ったよね
か行
「か」
カレンダーより早く シャツの袖口まくって
太陽が近づく気配 僕の腕から衣替え
「き」
「きっと廊下の先に 夢が待ってると思う だから一緒に行こうよ」
そっと小さな声で 分け合ったその勇気
「く」
靴の紐を 直すふりして 愛しさ 我慢してた
「け」
経験積んで 近道とかわかって来る
それでも愚直なほどに 脇目振らずまっすぐ進むしかない
(夢力/CGB48)
「こ」
コンパスの針なんかに縛られることなく(どこへでも)
自分が信じる方向 自由に舵を切るんだ
さ行
「さ」
最後に 今日だけ 愚かな愛に付き合って
夕陽が隠れるまで
(Only today/AKB48 Team A)
「し」
7時12分の 初恋は
ハートまで近づけない 満員電車
「す」
すぐに燃え尽きる恋より ずっと愛しい君でいて
「せ」
せっかくのこの関係 永遠に続いてほしい
ゆっくり ゆっくり 進んで 二人に終わりが来ないように
大切にしたいだけ 願いは 止まらない観覧車
「そ」
そばで海がずっと 変わらぬもの教えてくれたんだ
時代が過ぎ去っても この自然がしあわせの目印だ
た行
「た」
大事な君だから 次の夏まで ギンガムチェック
「ち」
ちっとも広くないのに
愛の余白を埋められないんだ
「つ」
通過する片想い
「て」
DJ!きっと!今なら起きてる
彼にしかわからないRadio name
リクエスト読まれたら気づくはず
(Radio name/NMB48 Team N)
「と」
時は早足で
描きかけの未来図を修正して 大人と呼ばれた
あの頃に何度も歌った 好きだった歌
今はなぜか歌詞が出て来ない
な行
「な」
夏のキスは ずっと残る
日焼けがソバカスに なるように
「に」
2台のバイクが並んで 国道からの脇道
海に行こうって言い出したのは
どっちが先だってよかった
「ぬ」
濡れた髪に 落ちる その雫は
僕が溜めてたこの胸の言葉
電話も拒んでた 君の抵抗に
行き場もない 愛の痛み
「ね」
ねえ 誰かのために 何かしてますか?
陽の当たらない場所で 支えてますか?
強い風吹けば そっと盾になり
雨が降れば 心の庇(ひさし)になる
「の」
ノースリーブ 着替えた頃に 僕が君を迎えに行くよ
は行
「は」
ハギの花 咲く道を 日差しかき分けて
そよ風と競ってる 愛しさの行方
「ひ」
人はみな不器用で 泳ぎ方を忘れる
喜びや悲しみに 足がつかずに 溺れそうで…
「ふ」
降り始めた細い雨が
銀色の緞帳を 下ろすように 幕を閉じた
それが私の初恋
「へ」
ペダルが重くなった分 君に近づけたかも…
青春は いつだって 坂道だらけ
「ほ」
ホースの先 細めたら 意志があるような 水しぶきに
青空の向こう 虹ができるんだ
(High school days/AKB48 研究生)
ま行
「ま」
満開の季節だけを 君は懐かしんでいてはいけない
木枯らしに震えていた 冬を越えて花が咲く
「み」
未来とは?
1秒後 明日でも 来年でもなく
"たった今"から始まるんだ
「む」
無意識にそっと 口ずさむ僕は 今でもまだ…
「め」
目と目が合うの 5秒のデート中
(チャイムはLOVE SONG/SKE48 Team S)
「も」
もし君が他の男の子と 楽しげに話しててもしょうがない
ジェラシー感じるより そっと見て見ぬふり
君が君らしく しあわせそうなら
や行
「や」
やさしさは風
過ぎた後で 濡れていた 土の上や その頬が乾くように…
「ゆ」
夢を見てる女の子って 磨く前のダイヤみたいね
いつか この手が届かなくなる
「よ」
47は行きたい街の数
ずっと私のこと 待ってくれてる
ら・わ行
「ら」
ラッキーもアンラッキーも
敗者たちの言い訳じゃないか
「り」
理想のタイプだとか ここに惹かれたなんて
思い出せない スピードで…
「る」
ルール守って この店内では
ただの バイトとお客様よ
「れ」
恋愛禁止条例は ロマンスの導火線
隠さなきゃいけないから 情熱が溜まるだけ
「ろ」
ロマンティックすぎて この先がわからない
どういう顔して何を話す? 友達には 戻れない
「わ」
わけもわからずに叫んで
心に棲み始めた 変なものと どう付き合えばいいのだろう
(ナニカガイル/NGT48)